トライ　ブログ

2008 年12 月24 日(水) 大久保

通勤時間片道140分の大久保です

11月20日(木）今年初の雪が降りました。
私の部屋の窓から見える景色は、こんな具合になりました。

「一体、どんな所に住んでいるんだ！？」という声が聞こえますね。
TRY企画営業2部勤務のオークボは、栃木県北部、那須塩原市塩原から通勤しております。

家から新幹線の駅まで峠道を車で35分。
JR那須塩原駅から東北新幹線「なすの」で東京駅まで75分。
東京駅から会社のある本駒込まで35分。
合計片道140分ですからね。思ったより遠くないでしょ？

同居しているのは

父＝昭和2年生まれ、

母＝昭和4年生まれ、

それと

2009年1月で満104歳になる祖母（→）。

もっともこれは塩原あたりではめずらしくもなく、若い世代は職を求めて町を離れざるをえませんし、いずれそちらに住居を構えるケースが増えているので、どうしても世帯構成が70～80代の夫婦のみか、40～50代の娘息子と同居、というケースが多くなる。
自治会の会合（「部落の寄り合い」と言った方がしっくり来ますが）に顔を出すと、「50歳未満」のワタクシなんぞは「若いヒト」と呼ばれるわけです。

私がこの町で小学生だった頃は、1学年40人学級が2クラスあったのですが、今では当時二つあった小学校が統合され、それでも1学年10人にも満たないと聞きます。絵に描いたような「少子高齢」の町です。

一番の原因は「雇用」。とにかく働く場所が無い。町に昔からある商店も、大手スーパーには太刀打ちできず、次々と店を閉じてゆくしかありません。
町を支える唯一の産業は「温泉・観光」であるのですが、これも古くからの老舗が経営難に陥り、大手資本に経営が変われば、昔からのような雇用は成立しなくなります。
まさに｢出口無し！」

でもね、この場所に生まれ育って、都会で仕事をしながらここの風に吹かれていると「だからなんなの？」という気にもなります。
私の場合、都会で職を得ている充実感もあるのでしょうが、根性決めて町で暮らしている同年代を見ても、それはそれなりに充実した暮らしを楽しんでいるように思えるのです。
多くの情報と多くの刺激と多くの収入を得るのだけが「恵まれている」わけではなく、日々の仕事に喜びを感じ、季節を楽しみ、近所同士の助け合い。老いた父母の笑顔やたまに顔を見せる子どもたちとのひととき。「身の丈」に合ったゆっくりした時間がここには流れており、そういう「豊かさ」は東京にはありません。むしろ「東京のマヤカシ」が今の私には良く見えるようになったような気がします。