2009 年07 月08 日(水) 青山
ありがとう、そして出発(たびだち)へ
今回が初めてのトライブログへの投稿となりますが、同時にトライの一員としては最後のものになります。トライの創立以来31年にわたり主に印刷の現場を中心に仕事をさせていただきましたが、この7月一杯で個人的な理由で退職することになりました。
私ごとで恐縮ですが、この場をお借りしてこれまでお世話になりましたお客様、協力会社の皆様、そして苦楽を共にした社員の皆に心より感謝とお礼を述べたいと思います。
思えば31年間いろいろなことがありました。つらいこともたくさんありました。楽しかったことや悲しい出来事もありました。皆様にご迷惑をおかけしたこともあるかと思います。それでも何とかこれまでやってこられたのも皆様のおかげです。
仕事というのは何でも厳しいものだと思いますが、印刷というのもなかなか一筋縄ではいかないものでした。マニュアル通りには動いてくれず、悪戦苦闘する時もありました。また機械や印刷用紙は湿度の変化に弱く、静電気の問題なども含め大いに悩まされたこともありました。今はデジタル化が進んでいますが、それでも印刷機械はどうしても高速で連日回転させるため、常に状態が変化していきます。それをうまく調整しながら使いこなす必要があります。
トライは8年前に本駒込の現社有ビルに移りましたが、それまでは1階にあった印刷室が現在の地下1階へ移りました。そのおかげで温度の変化は年間を通してあまりありませんが(基本的に温度は高めです)、乾燥しすぎる傾向があり、当初は特に冬場の静電気による紙通しの不良に泣かされたこともありました。しかし2年前から加湿器を入れ、その問題もかなり改善されました。
もうひとつついでに言うと、地下にずっといると、あまり外の天気がわからないことが多いのです。朝会社に来て、夜帰るまで外出の機会がない場合は、天候の変化と無縁の地下生活でした。
それで私はトライを退職後、8月から妻の実家の長野県で農業の手伝いをすることになっています。農業は当然ながら屋外での自然相手の仕事になります。今までの仕事や環境とはまったく異なる、私にとってはほとんど未知の世界に入ることになります。
長野では主にはりんごとぶどうの果樹の生産に携わります。米も自家用に少しだけ作っています。余裕ができれば野菜も少しは作ろうかと考えています。長野県の北部ですが、冬場の雪はそんなに多くはないものの、やはり寒さは厳しいところです。そして、夏の昼間はかなり暑くなります。そういう自然の厳しさはありますが、まわりを見渡すと畑の向こうに山々が見える自然豊かなところでもあります。
長野県の県歌に「信濃の国」という歌があります。この中にも「四方(よも)に聳(そび)ゆる山々は」とあるように確かに長野県の周囲は見渡す限り高い山々に囲まれています。話はそれますが、この「信濃の国」は県歌というよりは信州の「国歌」みたいなもので、大半の県民は歌えるし、Wikipediaにも「長野県内で育った者なら、全員が『信濃の国』を歌える」「会議や宴会の締めでは、必ず『信濃の国』が合唱される」「『信濃の国』を歌えない者は他所者」などと紹介されているぐらいなので、まず新米の信州人としてはこの歌から覚えなければいけないかもしれません。(でも実は私はトライの仕事に追われて車の免許を持っていないので、真っ先に免許を取らなければならないのです。)
長野に行ってからは直接印刷の仕事の経験が生きる場面はなさそうですが、自然相手とは言っても農業には各種の機械の操作も必要になってきます。これまでの印刷機相手とは違いますが、今まで様々な困難を乗り切りながら、仕事をやってきたことを思えば、何とかやれるかなと自らを奮い立たせています。
今、印刷業界は言うに及ばず、経済全体が大きく沈んでいます。そういう時に「前向きに行こう」と言っても難しいかもしれませんが、しんどい時こそ楽しいことを考えながら、そして常にワクワクしながら日々を過ごしていきたいものです。私ももう若くはありませんが、新たなことに恐れずにワクワクしながらチャレンジしたいと思います。
当面は私の仕事の引継ぎをするという大きな課題があります。それをまずはやり遂げて、8月から新たな道へと歩みを進めさせていただきます。今後余裕ができれば農業での体験などをこのブログに投稿させてもらおうかと思います。
最後に改めて皆様に感謝を申し上げます。皆様のご健康とご健勝をお祈りしています。31年間本当にありがとうございました。そしてトライをどうかよろしくお願いいたします。
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