2010 年06 月30 日(水) 青山
長野通信 Vol. 2
大変ご無沙汰しております。
昨年7月末でトライを退職してからまもなく1年になろうとしています。(トライブログの2009年10月19日を参照して下さい。)長野県の北部にある須坂市で、それまでの印刷とはまったく畑違いの農業生活を送っていますが、まだまだ慣れないことだらけです。それでも昨年末には念願の車の免許も何とか手にして、毎日軽トラックや農機具を運転しながら、農作業に励んでいます。
こちらは果樹栽培がさかんで、うちでもりんごとぶどうを作っています。自家用の米も作っており、5月21日に無事田植えも終了しましたが、今年は暑い日があったかと思うと寒さが戻ってくるという天候不順が続いたせいか、全体に作物の生育は遅れ気味です。
でも今の梅雨の時期はまさに「恵みの雨」を実感するように、作物が一挙に成長する様を体験しました。でも成長するのは食べられる作物だけではなく、それ以上に雑草の急成長ぶりには驚かされます。頻繁に草刈りをしないとアッという間に雑草に覆われていまします。自家用にいくつか野菜類も作り始めましたが、どうしてもあまり手が回らないので、見る間に雑草に埋もれてしまいます。
うちでは除草剤を使用していないため、特に草刈りは大変な作業となります。農業を始めて土と格闘する日々ですが、つくづく雑草のすごさにまいってしまいます。雑草だけではなく様々な病虫害との闘いもあります。そして一番大変で重要なのは天候でしょう。これは今のところ人間の力ではどうしようもないことです。でもその自然の力を利用することで農業が成り立っているわけですから、いつもこちらの計画や期待通りに天候がなってくれなくても仕方がないと割り切って、自然と向き合うしかないとつくづく思います。
さて今の時期はりんごとぶどう農家にとっては最大の農繁期です。作物の成長に合わせて様々な作業をこなしていかなければなりません。どの農家も休みなしで働いています。特にぶどうは大変手間がかかります。ぶどうの房がこうしてできてくるのかと初心者の私は初めての作業にいろいろ驚かされましたが、文字通り手作業で、いい枝をそろえ、芽の管理をし、それから房作りをし、余分なものを一つ一つ切り落として粒をそろえて、そして一房ずつ袋かけをしなければなりません。うちもそうですが、ぶどうでも何種類かを作っているので、次々と種類ごとにそれらの作業を連続して、あるいは同時並行でやっていかなければいけません。規模の大きな農園では各種の機械がそろってはいますが、それでも重要な部分は圧倒的に手作業が多いです。うちのような小さなところはなおさらです。
自然相手の仕事で悪戦苦闘していますが、健康には良いようです。周りを見渡すと山々が見える環境はやはり素晴らしいと思います。これでそれなりの収益が出るのなら言うことなしですが、残念ながら投入している労力に見合う収入を得るのは農業だけでは大変困難であるという現実もあります。いろいろ厳しい課題はありますが、日々自然と向き合いながら農作業を続けていきます。
長野での生活と農作業を以下のブログにまとめています。今のところほぼ毎日作業日誌風に更新していますのでよかったら見て下さい。
http://naganoao.exblog.jp/
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