2013 年11 月13 日(水) 亀村
「ここまで出す必要のない時代」
先月、誕生日を迎えた。
悲しいことではあるが、世間的には
ドンピシャでおっさんというカテゴリーに入る。
既に「ドンピシャ」という表現がどうかとも思う。
死語なんだろう。。。
一方、息子は来年から小学校に通い出す。
誰がどうしたらそういう学区になるのやら、
小学校まではなんと徒歩30分。
小学生の足だと40分はかかるのだそうだ。
そこで妻的には、「GPS付の携帯を持たせることも視野に入れてる」らしい。
困ればすぐに連絡をすればいいし、どこにいるかもすぐ解る。確かに安心できる。
私が1つ年を取ったように、息子が来年から40分かけて
小学校に通うように、当たり前ではあるが着実に時は重なり、
身の周りのものは確実に便利になっていく。
とりわけ携帯電話の登場と進化は劇的だ。
その利便性が息子が帰ってくるまで無駄に心配するということを排除する。
私が小学生の頃は道に迷えば、近くにいる人に
緊張しながら、道を尋ねなければならなかった。
尋ねなければ帰れないからだ。
近くの他人しか頼りにならない状況だった。
ところが今は、道に迷えば、親に電話をするか、スマートフォンで調べれば良い。
知らない人に汗をかきながら「すみません、どこそこに行きたいんですが・・・」などと
語りかける無駄な緊張感は排除できる。
相手がどこにいてもすぐに連絡が取れるし、
連絡が取れずとも、一発メールを入れればいい。
「調べる」ということに関しては、驚く程スピーディに結果を出す。
解らないことはスマートフォンに聞けば良いのだ。
なるほど、CMでも擬人化したスマートフォンが
何でも案内してくれているではないか。
そういえば、最近では待ち合わせも非常に軽い。
「じゃあ、5時に池袋で。はい~、はい、はい~」
以上。
着いたら連絡するから、これで充分事足りる。
遅刻しそうになったとしても、待つ方にも、待たせる方にも緊張感はない。
「遅れます」のメールは遅刻しないから。
入念に待ち合わせの詳細を打ち合わせるような無駄な時間は排除されたわけだ。
不便ゆえに誰かと関わらなきゃいけなかったり、
必要だったりした時間は少なくなってきた。
おっさんゆえに、実はそういうことを若干、寂しく感じたりもする。
みんなで酒を飲んでる時に誰かが言う。
「あのさ、あのぉ~、、、あの、あれ、あのね、月曜の9時からのドラマに出てる、ほら、
あの女優、なんだっけ、なんていうんだっけ、髪が長くて、和風のさ・・・ほら、、、」
別の誰かがそれに答える。
「あぁ~、あれだよ、ほら、ん?なんだっけ、、、
ちょっと待って、今、思い出すから!えぇ~と、えぇ~っと、あれ?
あの~、、、あれ!あぁ!ここまで出てるのに!!」
これからはこのジョッキ片手にド忘れで盛り上がるという光景もなくなっていくだろう。
水平にした手を首にあてがい放つ、定番の「あぁ、ここまで出てるのに」という台詞は死語になりつつある。
髪が長い和風の月9女優など一発検索、即回答。
無駄にここまで出す必要などないからだ。。。
はい。
おっさんゆえに。
結構、寂しいこともある。
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