2018 年09 月20 日(木) 那須
自分の読書歴をザックリ振り返ってみた
文字が読めるようになるまでは、毎晩のように
絵本や童話を読み聞かせをしてもらっていた。
読んでいる母が先に寝落ちしてしまうことがしばしばあり、
そうなると私の妄想タイムがスタートする。
要は、話のつづきを自分で勝手に考える時間だ。
この妄想タイムが楽しくて仕方なかったことを、今でもよく覚えている。
文字が読めるようになってからは、
やなせたかしさんが編集長を務めていた
『いちごえほん』という月刊誌を定期購読していた。
『いちごえほん』は、子どもが投稿した詩に、
プロの画家が絵をつけてくれるという内容で構成されており、
これに感化されて、小学校低学年のころの私は、
ノートにおそまつな詩を書きまくっていた。
この雑誌は、わずか8年間で廃刊となったが、
小学校低学年の間に『いちごえほん』に出会えたことは
私にとって意義深い。
その後は、『いちごえほん』の大人版である
『詩とメルヘン』を高校に入ってからも定期購読していた。
あとは、月刊の文芸誌・小説雑誌をよく買うようになり、
自分好みの作家を見つけては、
その人の作品を読むということをしていた。
今でもその癖が抜けず、『オール読物』とか
『ダ・ヴィンチ』で同じことをしている。
今日に至るまで、幅広いジャンルの書籍や雑誌を読んできたが、
唯一ハマらなかったのが漫画だ。
これには理由がある。
ストーリーを読むと、自分の頭の中でも
ビジュアル化されるものがあるわけで、
それが漫画の中のビジュアルとマッチしないと、
読む気が失せてしまうのだ。
しかし、今、ここへ来て、まんまとハマっている漫画がある。
知っている人にとっては今さら感が強いと思うが、
それはズバリ『花の慶次』(作・隆慶一郎/画・原哲夫)だ。
慶次というのは前田利益のことで、
戦国時代末期から江戸時代初期に実在した武将のことである。
隆慶一郎による歴史小説『一夢庵風流記』が原作になっている。
史実に巧みな脚色が施され、
とにかくストーリーが面白い(この構想力は、
もともと隆氏が脚本家だったからだと思われる)。
その上、慶次はもちろん、登場人物の生きざまが、
いちいち魅力的なのだ。
そして、現代にも通じる人間模様や心の機微が、
繊細かつ大胆に描かれている。
これを原哲夫氏が、圧倒的な画力で見事にビジュアル化していて、
ストーリーと画の相乗効果が半端ない!(←落ち着け、私。)
最初は通勤時間を利用して読んでいたが、
不覚にも涙目になってしまうシーンが多々あるため、
家でしか読まないことにした。
漫画を読み終えたら原作のほうも読もうと思う。
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