先日、ある方からいただいたメールに

「あのブックカバーに今もお世話になっています」

とあり、ある出来事を思い出しました。

 

数年前のことです。

私は、取材で愛媛県松山市に行くことに。

その際、冒頭の「ある方」から

「もし、伊予■のブックカバーを見かけたら

お代はお支払いするので買ってきていただけますか?

あくまでも『見かけたら』で大丈夫です!

色やデザインはお任せします」

と丁重なメールをいただきました。

 

お仕事でお世話になっているのと

とても尊敬している方ということもあり

私としては「絶対に見つけて

必ず喜んでいただきたい♪」と張り切ったわけです。

 

(これはミカンだけど、こんな感じかな?)

 190711-02.jpg

 

(これは夏ミカンだけど、こんな感じかな…?)

 190711-03.jpg

 

などなど、いろいろなブックカバーを妄想しました。

松山には、仲の良い友人がいるので

「探すのを手伝ってもらおう!」

と勝手に人員も手配しました。

 

数週間後―。

松山での取材を無事に終えた私は

松山在住の友人を呼び出し

2人で本屋さんや雑貨屋さんをめぐりました。

行く先々で店員さんをつかまえ

「イヨカン柄のブックカバーありませんか?」

と、何の疑いもなく尋ねまくりました。

ところが、イヨカンどころかミカンの柄のブックカバーすら見当たりません。

 

すっかり日も暮れ、私も途方に暮れました…。

「伊予国(いよのくに)なのに、なんでイヨカン柄が全然ないんだよぅ」

と私が不貞腐れていると、友人が、

「でもさぁ、その人は何を根拠に、愛媛にイヨカン柄のブックカバーがあると思ったんだろう。だって私、愛媛に住んでるけど見たことないよ。どこかで見たことがあるとかメールに書いてなかった?」

と言いだしました。

そこで、私はスマホを開き、メールの文面を友人に見せたところ、

友人が目を見開いて、こう言うのです。

「イヨカンじゃなくてイヨカスリじゃん!!」

「へ…? イヨカスリ??」

と、慌ててメールの文面を読み返すと、そこには確かに

「伊予柑」ではなく「伊予絣」と書いてあるではないか!!!

空耳ならぬ空目ってやつです。

 

友人と2人で息ができないほどゲラ笑いしたあと

友人が「伊予絣会館に行けば間違いない!

明日、朝一でそこに行けば大丈夫!」

とアドバイスをくれました。

 

こうして私は、翌日、無事に、

ポップなイヨカン柄とは正反対の

シンプルでシックなデザインの

伊予絣ブックカバーを手に入れることができたのです!

 

(伊予絣とはこんな感じの織物です。ご参考までに)

 190711-01.jpg

 

「絣」という漢字を正しく読めた友人に感謝。

イヨカン柄のブックカバーに出会わなかったことにも感謝。

おかげさまで、尊敬する人に呆れられずに済みました…。

 

おしまい。

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最終更新:2024/12/16 RSSについて

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