2019 年07 月11 日(木) 那須
「伊予■」 ~■に入る漢字を空目~
先日、ある方からいただいたメールに
「あのブックカバーに今もお世話になっています」
とあり、ある出来事を思い出しました。
数年前のことです。
私は、取材で愛媛県松山市に行くことに。
その際、冒頭の「ある方」から
「もし、伊予■のブックカバーを見かけたら
お代はお支払いするので買ってきていただけますか?
あくまでも『見かけたら』で大丈夫です!
色やデザインはお任せします」
と丁重なメールをいただきました。
お仕事でお世話になっているのと
とても尊敬している方ということもあり
私としては「絶対に見つけて
必ず喜んでいただきたい♪」と張り切ったわけです。
(これはミカンだけど、こんな感じかな?)
(これは夏ミカンだけど、こんな感じかな…?)
などなど、いろいろなブックカバーを妄想しました。
松山には、仲の良い友人がいるので
「探すのを手伝ってもらおう!」
と勝手に人員も手配しました。
数週間後―。
松山での取材を無事に終えた私は
松山在住の友人を呼び出し
2人で本屋さんや雑貨屋さんをめぐりました。
行く先々で店員さんをつかまえ
「イヨカン柄のブックカバーありませんか?」
と、何の疑いもなく尋ねまくりました。
ところが、イヨカンどころかミカンの柄のブックカバーすら見当たりません。
すっかり日も暮れ、私も途方に暮れました…。
「伊予国(いよのくに)なのに、なんでイヨカン柄が全然ないんだよぅ」
と私が不貞腐れていると、友人が、
「でもさぁ、その人は何を根拠に、愛媛にイヨカン柄のブックカバーがあると思ったんだろう。だって私、愛媛に住んでるけど見たことないよ。どこかで見たことがあるとかメールに書いてなかった?」
と言いだしました。
そこで、私はスマホを開き、メールの文面を友人に見せたところ、
友人が目を見開いて、こう言うのです。
「イヨカンじゃなくてイヨカスリじゃん!!」
「へ…? イヨカスリ??」
と、慌ててメールの文面を読み返すと、そこには確かに
「伊予柑」ではなく「伊予絣」と書いてあるではないか!!!
空耳ならぬ空目ってやつです。
友人と2人で息ができないほどゲラ笑いしたあと
友人が「伊予絣会館に行けば間違いない!
明日、朝一でそこに行けば大丈夫!」
とアドバイスをくれました。
こうして私は、翌日、無事に、
ポップなイヨカン柄とは正反対の
シンプルでシックなデザインの
伊予絣ブックカバーを手に入れることができたのです!
(伊予絣とはこんな感じの織物です。ご参考までに)
「絣」という漢字を正しく読めた友人に感謝。
イヨカン柄のブックカバーに出会わなかったことにも感謝。
おかげさまで、尊敬する人に呆れられずに済みました…。
おしまい。
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