源覚寺/
こんにゃくえんま

住  所
文京区小石川2-23-14
電  話
03-3811-4482
アクセス
東京メトロ丸ノ内線「後楽園駅」下車 徒歩2分
東京メトロ南北線「後楽園駅」下車 徒歩2分
都営三田線「春日駅」下車 徒歩2分
ホームページ
詳細はホームページよりご確認ください
https://www.genkakuji.or.jp/

後楽園駅より北上して徒歩2分。商店街の通りに面した小さな参道を抜けると、緑をたたえた小さな空間が広がります。1624年(寛永元年)に浄土宗の定誉随波上人によって開かれた、通称「こんにゃくえんま」源覚寺です。

参道の正面に見える閻魔堂にはこんにゃくが供えられ、わずかに開かれた戸の奥に怒りの形相の「えんま王木造坐像」を拝むことができます。この坐像は、文京区の調査によると運慶派の流れをくむ鎌倉時代の作と考えられ、銘文には寛文12年(1672年)に仏師により修復されたことが記されています。

宝暦の頃、眼病を患う老婆が好物のこんにゃくを断って、21日間その治癒を祈願したところ、大王が夢枕に立ち「願掛けの満願成就の暁には、私の両目のうち、ひとつを貴方に差し上げよう」と言われたそうです。満願日に老婆の目は治り、大王の右目は盲目となりました。以来、老婆は感謝のしるしとして好物の「こんにゃく」を供えつづけ、坐像は「こんにゃくえんま」あるいは「身代わりえんま」と呼ばれて、とくに眼を患う人たちの信仰を集めました。
実際にお堂の中へお邪魔して拝見しましたが、えんま様と対面するとまるでその場で審判を下されているような迫力です。また、境内には「眼病治癒」を祈願した絵馬がたくさん掛けられていました。

「眼病治癒」を祈願した
絵馬がたくさん

この閻魔堂の右手奥には「塩地蔵尊」が祀られています。お地蔵様の体に塩を付けてお祈りすると体の同じ部分が治るといわれ、塩にちなんでお相撲さんも勝利祈願にくるのだそうです。またこのすぐ隣には、小石川七福神のひとつである「毘沙門天」も祀られていました。

毘沙門天のさらに右手には、木々に囲まれて「汎太平洋の鐘」が釣られています。 1690年(元禄3年)に鋳造された釣り鐘は、1937年(昭和12年)、サイパンの南洋寺に新鐘楼が完成したのを機会にはるばる海を渡って送られました。しかし、昭和16年に日米戦争が始まり、昭和19年7月7日にはサイパン島守備軍・非戦闘員玉砕の悲劇が起きました。
その後、鐘の行方は知れませんでしたが、終戦後20年目の昭和40年にテキサス州に住む「ミツエ・へスター」という婦人の書簡によりその所在が判明。数々の困難な交渉の末、昭和49年に平和のシンボルとして再び源覚寺に帰ってきました。このニュースはマスコミでも取り上げられ話題となりました。鐘は各部に砲弾による傷跡を残し、いまもサイパンでの悲哀を物語っています。

汎太平洋の鐘

源覚寺門前一帯は「こんにゃくえんま門前」としてにぎわい、江戸時代から続く縁日には近隣の人々で活気にあふれます。都会の一角に突如現れる緑に囲まれたスポットはさまざまな歴史に触れられる機会をくれるとともに、癒やしや安らぎを与えてくれます。