白山公園

住  所
文京区白山5-31
電  話
03-5803-1252(文京区みどり公園課)
03-3811-3321(文京区観光協会)
アクセス
都営三田線「白山駅」下車 徒歩3分

明治24年開園の白山公園

「白山駅」A3出口の左手にある参道を左手方向に直進すると、白山神社の鳥居が見えてきます。この神社は天暦2年、石川県にある白山神社の総本社「白山比咩(しらやまひめ)神社」の祭神を祀ったのが始まりとされています。明治元年には東京十社のひとつになり、縁結びや家内安全などのご利益があるとして信仰されてきました。その神社の境内を通ってさらに奥に進むと、白山公園があります。

隣接する白山神社の境内を含む「白山公園」が、文京区最古の公園として開園されたのは明治24年のこと。当時は多くの木々が茂り、夏は納涼のためにここを訪れる人もいたようです。戦後の政教分離政策により公園と境内が切り離され、それまで8,250㎡だった敷地は1,590㎡となり、木々に囲まれたこぢんまりとした現在の白山公園が誕生しました。

公園入り口の表札

たくさんの人で賑わうあじさいまつり

取材に訪れたこの日は、ちょうど白山神社で「文京あじさいまつり」が開催されていました。この祭は、文京さくらまつり(3~4月:播磨坂桜並木)、文京つつじまつり(4~5月:根津神社)、文京菊まつり(11月:湯島天満宮)、文京梅まつり(2月:湯島天満宮)と並ぶ「文京花の五大まつり」のひとつです。

あじさいまつりでは、開催期間中の週末に、たこ焼きやコロッケ、ワインやビールなどの露店が出るため、多くの家族連れや若者、外国人観光客で賑わいます。咲き誇る約3000株のアジサイを、スマホやカメラで撮影する人もたくさんみられました。アジサイの苗も販売されており、「アナベル」「ミセスクミコ」など、好みの品種を購入して帰る人もいます。

木陰で涼しげに咲くアジサイ

また、公園と神社の間にある富士塚にもたくさんのアジサイが咲くため、この時期のみ、一般開放されています。富士塚とは、江戸時代の富士山信仰の一環で、富士山を模倣して人工的に作られた山です。当時、庶民はなかなか富士山に登る機会がなかったため、各地に作られた富士塚を人々が「登山」しました。

1975年、この富士塚にアジサイを植えたことが、白山公園と白山神社がアジサイの名所となるきっかけになったといわれています。この日も多くの人が、アジサイを見ようと山頂まで約5分の富士塚を登っていました。

多くの親子に親しまれる白山公園

この日、白山公園では「子どもあじさい写生会」が開催されていました。子どもたちは絵具を手に、エコバッグにアジサイを描く作業に没頭。元気よく公園を走りまわる子どもを見守る大人たちも、しっとりと咲くアジサイに癒やされているようでした。

晴天に恵まれた白山公園で、木陰を抜ける心地よい風に揺られていたアジサイですが、雨の日はまた違う美しさを見せてくれるのでしょう。