ファーブル昆虫館
虫の詩人の館
- 住 所
- 文京区千駄木5-46-6
- 電 話
- 03-5815-6464
- アクセス
- 東京メトロ千代田線「千駄木駅」下車 徒歩10分
東京メトロ南北線「本駒込駅」下車 徒歩10分
- ホームページ
- 詳細はホームページよりご確認ください
http://www.fabre.jp/
千駄木の保健所通りに、繭のような形をしたシルバー色の建物が建っています。これが、2006年3月6日、啓蟄の日に開館したファーブル昆虫館「虫の詩人の館」です。世界的に有名な「ファーブル昆虫記」を書いたジャン・アンリ・ファーブルの生家を復元した地下一階のスペースなど、ファーブルという人物にフォーカスした昆虫館である点が特徴です。
一階に展示されている世界各地の昆虫の標本は、何時間見ていても飽きない面白さがあります。同じ蝶でも、鮮やかな光沢のあるブルーの羽をしたもの、着物の模様のような白地に紅色の模様の入った羽を持つもの、なかには、葉っぱにしか見えないような羽の蝶もいます。自然が生み出した美しい羽のデザインを見ていると、「自然はなんと偉大で不思議なのだろう」と思わずにいられません。
ファーブルは、窓から入る明かりを求めて、常に光の差し込む場所に机を移動させていたそうです。よって、彼が愛用していた机は、持ち運べるくらいの小さなもの。一階に展示されているファーブルの机(復元)で、「ファーブル昆虫記」が生まれたと思うと、感慨深いです。
地下1階に復元されたファーブルの生家には、当時のフランス・ルーエルグ地方の人々が使っていた生活用具が一緒に展示されています。ファーブルの家庭は裕福でなかったため、展示されているような家具や道具は持っていなかったそうですが、この家と同じ広さの一部屋に、ファーブルの両親と弟の家族4人が暮らしていたとか。同じく地下一階では、「タランチュラ」という体長10センチあまりの、真っ黒な生きている蜘蛛を見ることもできます。見るのが怖いという方は、一階にある標本で、じっくりと観察してみてはいかがでしょうか。
壁には、訪問者からの質問に昆虫館のスタッフが回答したものが貼られています。質問も回答も、非常に興味深いものばかりです。例えば、「オオガエルの仲間だけが、なぜ木や土の中に泡に包まれた卵を産むのか」という8歳の児童からの質問には、「ふつうのカエルは水のなかに産みますが、魚やほかの動物に食べられてしまうことがあります。木の枝や土の中は、食べられにくいから、そこにしたのでしょう。しかし、そういうところでは、卵が干からびてしまうので、泡で乾きにくくしているのです」と。これまでに回答された質問は、バインダーにまとめてあるので、ぜひ読んでみることをお勧めします。子どもたちの鋭い観察力に驚くと同時に、きっと大人も、不思議がつまった昆虫の世界に興味を持つことと思います。
なお、同館では、「ファーブル検定」(500円)を実施。全問正解すると合格証明書がもらえます。さらに季節によっては、標本教室の開催、エビガニ(アメリカンザリガニ)釣りなども開催しているとのこと。詳しくは、公式ホームページをごらんください。